前の記事でコンサルの魅力を理解していただきました。ただ、コンサルと一口に言ってもいくつかの職種があります。今回はコンサルの職種をいくつかご説明し、製造業から目指すべきコンサルはどの職種かを説明します。
①戦略コンサル
M&Aや新規事業開拓などの社運をかけた戦略を、企業のCXOクラスとともに構想するコンサル。
高い地頭とプレッシャーに負けない胆力が要求されるエリート中のエリート。正直、製造業から一足飛びにここを目指すのはかなりハードルが高いです。
どうしても戦略コンサルを目指したい場合は、他のコンサルで経験を積み、次のステップとすることをお勧めします。
②製造業コンサル
製造業での製品設計・生産技術・生産管理・品質保証などのノウハウをベースに、クライアントの課題を解決するコンサル。製造業で10年程度経験を積んでいれば、自分の専門分野を構築できているはずですので、その専門分野が上手くマッチすれば活躍しやすいです。
ただ、”マッチすれば”という部分がネックとなります。製造業のコアである製品設計〜品質保証のノウハウは各企業自前でやり切ることがある種の矜持と言えます。そのため、コンサルティング案件の市場規模が小さく、中途採用枠も多くありません。
③DXコンサル
結論から言いますと、このDXコンサルが製造業からの転職先として最適な職種です。理由を少し丁寧に説明します。
近年、ハード面・ソフト面における技術進展を背景に、製造業ではIT技術を軸とした第4次産業革命を迎えています。各企業ではIT技術による業務の効率化や、成果型報酬ビジネスへの転換など、様々な方面で情報技術による改革=Digital Transformation(DX)が進められています。このDXを支援するのがDXコンサルです。
※従来より、ITシステム導入を業務変革の観点でコンサルティングする職種としてITコンサルがありますが、本サイトでは特にDXに重心を置いたコンサルという意味でDXコンサルと表現しています。
DXコンサルを推す理由が2つあります。1つ目は旺盛な需要です。本記事を執筆している段階(2022年新春)では、多くの企業が領域を限定的に絞った上でDXプロジェクトを立ち上げ、その成果が出始めているという状況です。今後、各企業はDXの対象領域を広げるでしょう。つまり当面は、各企業で継続的にDXプロジェクトが立ち上がると考えます。一方でDXは製造業の本業ではないので、なかなか自力ではやり切れません。そのためDXに知見のあるコンサルに依頼することになります。
事実、ここ数年は大手コンサルでもDXを軸とした受注を増やしています。そして、それに対応すべく、中途採用枠も広げている状況です。
DXコンサルを推す2つ目の理由は、製造業の実務経験があればDXプロジェクトのどこかのポジションで活躍ができることです。DXプロジェクトは現状の課題分析からスタートすることが多いです。製造業の実務経験があれば、クライアント企業の課題をスムーズに理解し、共感することができるでしょう。
結論
製造業からの転職はDXコンサルがおすすめ!!