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  3. 【転職準備】DXコンサル面接のケース問題対策

コンサルの面接は他の事業会社とは異なり、ケース問題と呼ばれる問題が出題されます。例えば、

  • ラーメン屋の売り上げを上げるにはどうすれば良いか?
  • 日本にいる野良猫の数は何頭?

などです。

何の対策もせずに、面接でいきなりこんな質問を受けてしまうと、大半の人はしどろもどろになってしまうと思います。

ですので、今回はこのケース問題の対策についてご説明します。

※なお、本記事はDXコンサル(業務改革やシステム導入)を志望する中途採用面接をイメージして記載しています。ずば抜けて高い地頭を求められる外資系戦略コンサルタントはこの限りではありませんのであしからず。

ケース問題を通じて面接官が確認していること

ケース問題では100点の答えを期待されているわけではありません。面接官はケース問題を通じて候補者に以下の3点の能力が備わっているかを確認しています。

  1. 相手から必要な情報を引き出すコミュニケーション能力
  2. 困難に直面しても、諦めずに活路を見出そうとする力
  3. 筋道を立てて物事を考える力

これらについて順にご説明します。

1.相手から必要な情報を引き出すコミュニケーション能力

候補者がまず認識しておく必要があるのは、ケース問題は答えを出すことに意味があるのではなく、候補者と面接官が一緒になって答えを導き出す過程に意味があるということです。

与えられた課題をきちんと整理し、不明点があれば面接官に確認し、自分の考えを口に出して、適宜その妥当性を確認しながら前に進めていきます。

コンサルの仕事はチームで議論しながら課題の解決策を練り上げていきます。このコンサルの仕事をシミュレートするのがケース問題です。眉間にしわを寄せながらではなく、楽しみながら面接官と課題に取り組む姿を演じると良い印象を与えます。

「この人となら一緒に仕事ができそうだな」と思わせられれば、しめたものです。

2.困難に直面しても、諦めずに活路を見出そうとする力

ケース問題を与えられた際、もしくは、取り組んでいる最中に行き詰ってしまうことがあります。このような場合でも、諦めずになんとか活路を見出そうとする姿勢は好印象です。

行き詰ったときには、
「**については**まで考えましたが、**の理由で行き詰ってしまいました。」
と正直に伝えた上で、①別の切り口で解を求める方法をとる、②面接官から新たな情報を引き出す、などのアクション(活路)を見出すことができます。

だんまりになってしまうのは大変危険です。諦めずに自分の思考がどこまで進められているかを伝えると、面接官が手を差し伸べてくれるはずです。

3.筋道を立てて物事を考える力

ケース問題は自分の考えを論理的に伝えて、面接官を納得させる必要があります。これについては、いわゆるロジカルシンキングのスキルを発揮する必要があります。

ぶっつけ本番で我流で臨んでもできてしまう人もいらっしゃると思いますが、大半の人は不慣れだと思います。

後述のケース問題の対応ステップの型にはめて対応すると、それなりにロジカルなストーリーになるはずですので、参考にしてみてください。

ケース問題の対応ステップ

ケース問題にはいろいろなタイプがありますが、基本的には次のステップで対応すれば及第点は得られるはずです。

1.課題を理解する

まずは与えられた課題を復唱して確認しましょう。この時、前提条件の確認も必須です。言葉の定義や、解くべき課題の範囲の特定、目標値の具体化などをはじめの段階で行います。

2.現状分析(課題の要素分解)

実際に課題を解いていくにあたり、一番初めにするのは要素分解です。例えば「ラーメン屋の売り上げを上げる」という課題の場合、

ラーメン屋の売り上げ = 客単価 x 客数 x 店舗数

などのように要素分解することができます。

これとは別に、「ラーメン屋の利益を上げる」という課題であれば、

ラーメン屋の利益 = ラーメン屋の売り上げ ー ラーメン屋の原価
 ラーメン屋の売り上げ = 客単価 x 客数 x 店舗数
 ラーメン屋の原価 = 店舗賃料 + 労務費 + 材料費 + 高熱費

などのように要素分解できます。
※上記の例について、「**が抜けてる!」とか細かいツッコミはやめてくださいね。

同じような課題であっても、上述のように「売り上げ」と「利益」とでは、要素分解の幅が異なってきます。まずはステップ1で課題をしっかりと理解することが大切です。そのうえで、課題を構成する要素を漏れなくダブりなく(MECE)要素分解することが重要です。

会話しながら進められる場合は、面接官と会話をしながらMECEを意識して要素分解していることをアピールすると良いでしょう。

3.手を打つべき要素の特定

要素分解した中で、どの要素に手を打つのかを特定します。

「ラーメン屋の売り上げ」の課題でしたら、客単価・客数・店舗数のどれに手を打つかを、実効性と実現可能性を添えて宣言します。

例えば、客単価を上げることは実現可能ではありますが、客数を減らし兼ねない選択肢であるため、実効性があるかは不明です。店舗数を増やすことはすぐに取り組める手段ではないため、実現可能性が低いと言えそうです。一方、客数を伸ばす余地があるのでしたら、こちらを優先的に手を打つことが効果的だと言えます。

4.打ち手の提案

ステップ3までで手を打つべき要素を特定できれば、あとはアイデアを出すのみです。ここはある意味、ブレスト的に進めていくことができます。

ただ、上述の「ラーメン屋の売り上げ」の例では、「客数を増やす」ということに対する打ち手を考える際に、しっくりとくる答えが出ないのではないかと思います。

例えば、

  • 店舗をこぎれいなカフェのように改装する
  • 激辛メニューをラインアップに加える
  • キッズスペースを用意する

など、いくつかのアイデアは出ると思います。しかし、これらは答えであり、答えではありません。店舗をこぎれいなカフェのように改装すると、女性は入りやすいかもしれませんが、私のようなおじさんは入りにくくなります。

このようなことが起こってしまう理由は、要素分解が不十分であるためです。

手を打つべき要素を特定するためには「客数」という粒度での分解で十分でしたが、打ち手を特定するには、「客数」をさらに分解する必要があります。客層(老若男女)・時間帯・平日/休日などの切り口で「客数」を分解し、ターゲットを特定することで、打ち手を具体的に提案することができます。打ち手は複数あっても問題ありません。

例えば、

  • 土日の日中はファミリー層をターゲットに、キッズスペースを確保
  • 平日深夜は元気な若者をターゲットに大盛りメニューの提供

などです。
※商才の無さはツッコまないでください。

5.ラップアップ

最後に、これまでのステップをラップアップする余裕があれば面接は成功と言えるでしょう。

参考書籍

ケース問題対策には以下の書籍がすぐに読めて参考になります。

問題を解く力を鍛えるケース問題ノート

さいごに

コンサル面接のケース問題は、緊張状態にある中で、フルに頭を働かせる必要のあるハードな課題です。しかし記事にも書いた通り、100点満点を期待されているわけではなく、あくまで候補者の課題に取り組む姿勢を見極めることが目的です。(戦略コンサルタントは別です・・・)

ですので、リラックスして面接官と一緒にケース問題を楽しむという気持ちで臨めばよいと思います。