久しぶりの新規投稿です。私自身が事業会社からコンサルに転職した数年前もそうだったのですが、コロナ禍において益々コンサルファームの新規採用は旺盛で、私の会社では毎月100人以上の経験者を採用しています。
ただ、新規に入ってくる仲間がいる一方で、新天地を求めて会社を離れていく人たちもいます。
会社を離れていく人の中には、さらにキャリアアップを求めて他のファームに移籍したり、新規事業を起こしたり、という人も少なからずいます。しかし、早期に退職する人たちのほとんどはコンサルの働き方にフィットできず、また事業会社に帰っていきます。
今回の記事では、どういう人がコンサルに向いていて、どういう人がコンサルに向いていないのかを、私なりの分析をもとにご紹介したいと思います。
コンサルの仕事と求められるスキルとは
コンサルファームでの仕事は主にクライアントと対話しながら、クライアントの課題を理解し、課題を解決できる粒度に分解・構造化し、解決策を提案することです。クライアント自身では解決できない難題を、実際にクライアントの会社で業務に携わったことがない部外者が解決策を提案するという、大変難易度の高いミッションが与えられます。
コンサルが日々、このように難易度の高い仕事をこなせるのは、課題を解決できる粒度に分解・構造化するスキル、つまりロジカルシンキングのスキルによるものです。
ロジカルシンキングに関する書籍は山ほど出ていますし、会社によっては社員教育でもメニューがあると思います。しかし、いくら知識を身につけても、日々実行できるかどうかは別問題です。
このロジカルシンキングを呼吸するかの如く、自然に実行できるか否かがコンサルに求められます。
どうすればロジカルシンキングが身につくのか
それでは、ロジカルシンキングの技術はどのように身につければ良いのでしょうか。私自身の経験、及び同僚の振る舞いを見てみると、ズバリ実践の中で揉まれてスキルを伸ばすのが最も効果があるように思います。
実践の中で書籍で得た知識を試してみて、成功したり失敗したり、先輩コンサルに助言をもらって思考のプロセスを吸収したりすることで、数年かけてやっと身に付くスキルです。
中には地頭が良く、すでにロジカルシンキングのスキルが身に付いている人もいるかも知れませんが、製造業で数年のキャリアを積んだ経験者採用者の中で、そのようなスキルを持つ人を見たことがありません。コンサルに転職して1年から2年はキャッチアップに苦しむのが一般的です。
コンサルに向かない人とはどんな人か
ここまで話をした通り、ロジカルシンキングを身に付けるのには転職から数年は必死で勉強して食らいついていく覚悟が必要です。またロジカルシンキングだけでなく、自身が所属する領域の専門知識やプロジェクトマネジメントのスキルも同時に身に付けていく必要があります。
つまり、学び続けることが必要であり、それができない人はコンサル転職には向きません。
一番不幸なパターンは、40歳前後の事業会社での課長経験がある方がコンサルにマネージャークラスで転職したパターンだと思います。事業会社での課長とコンサルのマネージャでは必要とされるスキルが全然異なります。自分は多くの部下を管理してきという自負があっても、コンサルではほぼ通用しないと覚悟した方が良いと思います。コンサルのマネージャーに求められるスキルと自分自身のスキルのミスマッチに悩むことになります。そこから努力してキャッチアップする人もいますが、早期退職に追い込まれる人の方が多い印象です。
コンサル転職を悩んでいる方は、いま一度、学び続ける覚悟があるかを自問してみてください。
コンサルに向く人とはどんな人か
学び続ける覚悟ができ、実際にそれを実行できる人は数年で視界が開け、コンサルとして独り立ちすることができると思います。
コンサルの基本的な働き方は、一つ以上のプロジェクトチームに所属してクライアントの課題解決を支援します。チームには自分を監督する立場のメンバーが必ずいますので、まずは監督者の意見をよく聞き、その人の振る舞いと思考プロセスを真似することでどんどん成長していくことができると思います。
まとめ
今回はコンサルという仕事に向く人・向かない人というテーマで執筆しました。
これまでの私のコンサルでの経験から、コンサルの仕事に求められるスキルの高さに打ちのめされて退職していく方々を何人も見てきました。
コンサルの仕事はドラマのように華々しい世界ではなく、転職後は特に不断の努力が必要になります。
ただし、その分スキルが身に付いてきたことを実感できた時には仕事が楽しくなってきますし、給料もついてきます。そしてなによりも私自身が感じるところは、今後どの会社に行っても、もしくは独立しても十分やっていけるという自信と実力が身につきます。
コンサル転職で悩んでいる方は、是非この記事を参考にしつつ、覚悟を持ってコンサルの門を叩いて欲しいと思います。
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