製造業のエンジニアとコンサルタントの大きな違いは思考プロセスだと考えます。製造業のエンジニアは目の前の具体的な事象をインプットに答えを証明しますが、コンサルタントはクライアントから得られる断片的な情報をインプットに説得力のある仮説を立てます。 コンサルの面接ではそのような説得力のある仮説を立てる思考プロセスについて問われることがありますので、あらかじめ対策を講じておくことをお勧めします。
この記事では私がコンサルに転職した際に読んだ書籍の中で、特に役に立った3冊を紹介します。
1秒でわかる!コンサルティング業界ハンドブック
業界の誕生から米国での発展の歴史、日本での浸透の歴史、業界の最新動向と課題、ビジネスモデルとその変遷を解説しています。さすがに、1秒ではわからないのですが、コンサル業界の全体像を把握するのに最適な一冊です。
戦略コンサルティング・ファームの面接試験 新版――難関突破のための傾向と対策
戦略コンサルティング・ファームへの就職・転職をめざす大学生・ビジネスマンの必読書。コンサル面接ではその場で思考プロセスを試されるケース問題が出題されることがあります。この本ではケース問題を体系的にパターン化し、対応方法について解説しています。タイトルに”面接試験”という単語が入っているため、学生や転職目的のビジネスマンしか手に取られることはなさそうですが、純粋に読み物としても面白い一冊です。
地頭力を鍛える
こちらもケース問題対策の一冊です。例えば「日本の電柱の本数は何本ですか」と言った問題です。もちろん正確な答えを答えられるはずはありません。面接では一般知識を前提とした上で、ロジカルに事象を分解し、仮定を設定して推定値を導出する能力が求められます。これらのプロセスとフェルミ推定と言います。本書ではこのフェルミ推定の紹介に加え、「好奇心」「論理的思考力」「直感力」という地頭力のベースとそれらのベースの上に重なる「仮説思考力」、「フレームワーク思考力」、「抽象化思考力」の3つの構成要素とその鍛え方を解説しています。
コンサル業界への転職ではコンサルの思考プロセスについていけるかを試されます。製造業の新卒採用のように、情熱や経営理念への共感だけでは内定を勝ち取ることはできません。今回紹介した書籍を中心に、思考プロセスを鍛える書籍を読んで対策しましょう。